
Longing for Death (Todessehnsucht) / ATROCITY
Artwork : Gianna possehlLabel : Roadrunner
Country : German
Released : 1992
ドイツ産メタルバンドのセカンドアルバム。私が持っているのはアメリカ盤で、独語の原題から英語に変更されている。まだ中学生だった92年当時、初めて買ったメタル専門誌で高く評価されていて興味を持ったのだけれど、近所に輸入盤を取り扱っている店が無く、通信販売の方法も良く分からなかったので、ちょっとした憧れの一枚になっていた。翌93年に、このアルバムの中の1曲が収録されているコンピレーション「At Death's Door II 」が国内盤でも発売。漸く彼らの片鱗に触れる機会を得る事が出来た。収録曲「Unspoken Names」は、評判通りの奇怪な構成と旋律で、益々アルバムに対する欲心が強くなった。確かその一年後くらいにアルバムを手に入れたんだけど、通信販売だったのか或は都会に買い付けに行ったのか良く覚えていない。
内容は「死への憧憬(Todessehnsucht)」をテーマにしたコンセプトアルバムで、SEを多用したり曲間を上手く繋いだりと、トータル指向の作品になっている。音楽性はプログレッシブなデスメタルで、複雑なリフと変拍子、アヴァンギャルド気味な展開が目白押し。テクニックのひけらかし的な事が殆ど行われていないのも個人的に好感が高い。彼らの場合、テクニック重視というよりは雰囲気重視の指向が強い様に思われる。というのも彼らはアルバム毎に音楽性をコロコロと変化させていて、プログレ的と言えるのはこのアルバムくらいしか無いからだ(1stと3rdもそれっぽくはあるけど薄味で、アルバムによっては最早メタルとは言えない様なポップな作品も在る)。多分テーマに沿った作曲を行った結果、複雑な内容になったんじゃないかな、憶測だけど。音質は余り良く無いけれど、それがドロドロした雰囲気作りに一役買っていると言えなくも無い。その後リマスター盤が出ているので、どの程度クリアになっているのかちょっと聴いてみたい気もする。
本編終了後、アメリカのテクニカル・デスメタルバンドDEATHのチャック先生作曲のボーナストラックが収録されているんだけど、曲調が本編と全然違うので折角の余韻が台無しになっしまっているのが残念。DEATHファンの人に拠っては本編よりもこちらの方が好みという意見も在る様ですが、申し訳ないけど個人的には蛇足にしか思えない。
スピー度 :★★★★
ヘビー度 :★★★★
プログレ度:★★★★